第14回 Femtetユーザ会 出展レポート
2024年06月10日5月31日(金)に村田製作所みなとみらいイノベーションセンターで開催された「第14回 Femtetユーザ会」に出展しましたので、その模様をレポートします。
同会はムラタソフトウェア株式会社が主催する同社CAEツール「Femtet®」のユーザ会で、まず午前中に現地特別プログラムとして、図研を含む協力企業ブースの見学などが行われました。昼食を挟み新機能紹介を皮切りに午後の部が開始され、途中ブース出展企業のライブ中継を挟み、4つのユーザ様事例の発表が行われました。
多くの参加者がいらっしゃり、常に盛況だった図研ブース
午前のブース見学は、並行して行われた対面形式のFemtet Q&A、および会場建物内にある「MURATA みらい MOBILITY」見学の合間に、現地来場者様が自由に立ち寄れる企画として実施されました。
参加されているのは基本的にFemtetユーザ様なので、ご自身で解析をFemtetで行われている方々ばかりでしたが、設計ツールはさまざまで、Design Forceをお使いの方、Board Designerの方、またメカ系CADを挙げられた方もいらっしゃいました。
ブースでは、階層設計やマルチボード設計などへの対応、3Dビューにより設計者に実際に近いイメージを提示可能、さまざまな中間フォーマットでの各種CAEとの連携といったDesign Forceの特長を紹介しました。中でも2014年からFemtetを使っていらっしゃる村田製作所様からの要望に対応してきた細かい点を紹介すると、実際の「設計⇒解析」の連携のやり口やメリットなどについて熱心に尋ねられる場面がしばしば見受けられました。また、今回は、MEMS DesignerとFemtetとの連携イメージについても紹介しました(実はMEMS設計/製造の現場に紹介に行くと、Femtetを使っているお客様が多くいらっしゃったので)。すると来場者から「隣の部署でMEMS設計者が某メカCADで設計してるんですが、MEMS Designerの編集機能は使いやすそうですね」との声がありました。
50件以上の新機能・改良が行われたVer2024.0
「Femtet 2024新機能のご紹介」の講演から、午後の部の開始となりました。
Femtetでは年2回の機能拡充が行われており、本講演では本年6月中旬リリースとなる「2024.0.1」の中から、各種行列ソルバの改良による解析時間の高速化、過渡解析の時間ステップ設定に「自動」を追加といった解析全般向け新機能、および各解析における精度向上やモデル追加、メッシャの生成機能向上や高速化といった各種新機能が紹介されました。また、Pythonを用いた拡張機能「PyFemtet」によるパラメータの最適化については、この後のライブ中継でもその趣旨が熱く語られました。
FemtetとMEMS設計ツールの連携をライブで紹介
前半の新機能紹介が終わった時点で、「協力企業ブースライブ中継」と題し展示ブース前にカメラがやってくる企画がありました。出展各企業が5分程度で、隣室の講演会場にいらっしゃる来場者様およびオンライン参加者様に、ブースでの訴求内容をリアルタイムに紹介する趣旨です。
図研ブースではEL開発部 松澤より、会社概要に続いて、CR-8000 DesignForceと Femtet とを連携させ、CAD側でCAE向けフロントエンド作業をすることで、解析準備時間の短縮を図るイメージを紹介しました。またMEMS設計専用ツール CR-8000 MEMS DesignerとFemtet連携も紹介しています。
質疑応答も熱かったユーザ様発表
後半のプログラムとして、4ユーザ様によるFemtet事例発表が行われ、さまざまな場面での活用例が語られました。
株式会社東海理化(解析分野:熱、応力、電場)
「Femtetを用いた車載品での解析事例紹介 ~電子部品周辺での社内の困りごとへの対応~」
長野県工業技術総合センター(解析分野:CAE支援)
「長野県工業技術総合センターにおけるCAE活用による企業支援事例のご紹介」
アルモテック株式会社(解析分野:電磁波)
「Femtetを活用した28GHz帯BPFの設計事例」
東北大学(解析分野:圧電)
「高周波弾性表面波デバイスの研究・開発」
また質疑応答では、講演者とリアル/オンライン参加者との間で、Femtet使用上のTips的な内容がやり取りされ、解析にあたっての実践的な知見を得られていたようでした。
「Zuken Innovation World 2023」へのムラタソフトウェア様の出展がご縁となり、コロナ禍明け初の対面開催にお声掛けいただいた今回のFemtetユーザ会では、展示ブースおよび講演でさまざまな有用な情報を得ることができました。次回、Design ForceやMEMS Designerとの連携について、さらなる進展をお伝えできればと考えています。