新天地での初開催となる「学生フォーミュラ日本大会2024」に参加

図研は、9月9日(月)から14日(土)までの6日間にわたり、愛知県常滑市のAichi Sky Expoで開催された「学生フォーミュラ日本大会2024」に協賛し、ブースを出展しました。

新会場のAichi Sky Expo外観(左)、最終日の記念撮影前に各チームの車体を並べる様子(右)

 

学生フォーミュラの趣旨と近年の動き

次代の技術者育成を目的とした学生フォーミュラは、もともとはアメリカで1976年に発祥し、日本での初開催は2003年でした。「クルマにかかわる喜びの体験」「プロジェクトを通したチームワークの体得」「自動車技術における知見の拡大と挑戦」を趣旨とした本会は、初回の参加は17チームでしたが、その後順調に増え、今大会では106チームが参加。また、図研が初参加した2019年大会時点で20チーム以上あった海外からの参加は、コロナ禍での中止を経た2021年、2022年大会ではゼロでしたが、今回は33チームと復調してきました。

近年の動きとして、まず参加チーム側としてはICV(内燃機関車)クラスからEVクラスへのシフトの加速が挙げられます。EVクラスは2013年に開始され、初回のエントリーは8チームに留まりましたが、今回は39チームにまで増えました。ただし、EVならではの難しさもあり、うち17チームが辞退するという結果になっています(EVの難しさについては、前回参加時の記事で触れて いますのでご参照ください)。

ICVとEVの2クラスあり、近年はEVが徐々に増加

そして運営側として最大のトピックはやはり、長年にわたり熱戦が繰り広げられてきた静岡県のエコパ(古笠山総合運動公園)から、Aichi Sky Expoへの会場移転でしょう。企業PRコーナー運営初日の朝礼で、実行委員長の日産自動車 大和田様からも説明がありましたが、エコパで開催していた中で年々暑さが厳しくなっていき、会期中に体調を崩す学生、出展者が出てきたことから、チームピットおよびPRコーナーを屋内に移すということを本気でやらなければならない、と検討を開始し、このほど念願かなっての移転となったとのことです(もちろん、エコパへの感謝も話されていましたが)。

新生VRデモを出展! 学生の来場が途切れず

図研がエントリーした企業PRブースは、エコパでは2m×3mだったのが、今回は3m×6mと3倍の広さになり、背面にはシステム材での壁面、さらにはその裏にバックヤードまでが用意されました。これまでは雨除け、陽射し除けのテントが設置されていたのですが、今回はホール内なのでもちろん不要で、画面で見せていた動画に直射日光が当たって見えない、テントの影で暗くなる…と苦戦していたのがもはやセピア色の想い出です。

準備日の全景。日光が当たらないのでモニターもクッキリ

2019年の初出展時のブース展示では、ゴーグルを装着して目の前のハーネスの断面を見たり、任意のコネクタと他のコネクタとの論理的な繋がりを確認したりできるVRデモを用意したところ、来場学生に非常に好評でした。しかしコロナ以降の過去2回では、身に付ける物を学生間で共有するような展示企画がためらわれたため、図研の電装設計ツールで設計された自動車用のハーネスの実物を展示することで、具体的な製品(タイヤ、車軸、シート、ライト、バンパー、あるいはクルマまたはバイク本体など)を展示して学生たちの耳目を引く他社ブースと、かろうじて渡り合ってきたのです。

今回の展示では、図研が協賛するフォーミュラチームより電気設計とメカ設計のデータ提供を受けることができたため、久々にゴーグルを用いてのVRデモを実施することにしました。目の前であたかも実物のように各種部品やハーネスなどを観ることができるこの企画は、日々実車と格闘している学生たちに必ずや受けるだろうと考えました。

没入感の驚きとバラシの楽しさからか、声をあげる学生も多数いたVRデモ

実際に企業展示が始まると、通路に向けた大型モニターに映るフォーミュラカー内部の様子を見て、ひっきりなしに学生がやってきました。一通りホール内を回ってみたのですが、クルマを置いてあるブースが非常に多い中、図研のデモはかなり独自性があり、またVR内で部品を自由に外してみることができるのが、どうやら非常に楽しいようなのです(クルマを芸術的にバラした後、満足気に帰っていく学生多数)。

結果として、3日間で120名を超える来場者にお越しいただけました。出展企業の方や、地元でのPRによって訪れたと思しき親子連れなど、属性はさまざまでしたが、やはり最も多かったのが参加チームの学生で、VRデモを通して図研製品に興味を持ってもらったり、「今2年生なので、来年インターン行かせてください」と言ってもらったりと、学生に図研を知ってもらう大変意義深い出展になりました。

エコパ時代よりもキッズの来場が多かった印象

図研では、世界各国の拠点を通じて学生フォーミュラに挑戦する学生チームの支援を積極的に行っており、日本大会への協賛も継続的に行っていく予定です。次回もまた、さらなるキラーコンテンツを用意して、チームの学生たちを魅了したいと考えます。

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