第2回:DS-Webで広がるデジタル共有と共創の可能性

電気設計者の皆さん、こんにちは。前回は、パッケージ化された電気設計専用ITインフラ「DS-2 Expresso」をご紹介しました。今回は、そのオプション製品である「DS-Web」と合わせて運用することで、設計部門以外にも広がるメリットについてご紹介します。

DS-Webは、DS-2 Expressoで管理されている設計データに対し、Webブラウザ経由でセキュアにアクセスし、参照を可能にするオプション機能です。これまでは、DS-2 Expressoの設計データにアクセスするには専用のWindowsアプリケーションが必要でしたが、DS-WebならWebブラウザから直接アクセスし、参照できます。

 

DS-Webの 2つの機能

DS-Webは、大きく分けて2つの機能を提供します。

検索/参照機能:
DS-2 Expressoに登録・管理されている電子部品情報/CADライブラリ、CADデータ、部品表などの各種設計データを、属性情報から検索し、参照することが可能です。

検図/承認機能:
回路、基板、部品表を一画面表示で連携する「3点クロスプローブ」による検図支援や、検図されたデータを承認する「承認回覧機能」を提供します。 タブレット端末からリモートアクセスも可能で、場所を問わずデータ検索・参照から検図・承認まで行えるため、設計効率の向上を支援します。

 

DS-Webが解決できる課題

DS-Webは、主に以下の2つの課題を解決します。

1. 設計部門内の外出時・リモートワーク時における利用の制約
設計上長が外出中で承認が遅れる、リモートワーク環境で設計情報が確認できないなど、DS-2 Expressoの手軽な利用が難しいシーンがあります。

2. 非設計部門との連携における業務負荷
購買部門や製造部門からの情報依頼が頻繁に発生し、設計者の対応負荷が増大しています。

DS-WebはWebブラウザ対応でインストール不要なため、DS-2 Expressoの利用範囲を広げ、新たなシーンで活用いただけます。

 

DS-Web活用事例

それでは、DS-Webがどのように課題を解決し、現場の効率化に貢献するのか、具体的な活用例をご紹介します。

1. 設計データの整合性チェック
部品表と図面データ(PDFなど)の整合性チェックは手間がかかりますが、DS-Webの「3点クロスプローブ」は、回路、基板、部品表を連携表示し、整合性チェックを効率化します。CADがインストールされていない環境でも検図を進められます。


2. 設計上長宛の設計データ承認依頼
設計上長は、DS-Webを使って外出先からでも設計データの承認依頼に対応できます。過去バージョンの部品表と比較し、整合チェックができるため、変更点に注目して確認し、効率的に承認を行えます。

3. 設計デザインレビュー&製造部門での活用
設計完了データのレビューにおいて、PDF図面では文字検索などができず非効率な場合があります。DS-Webは、自動生成されるWebプレビュー用のHTMLデータを用いて、部品検索などスムーズなレビューを実現します。レイヤ切り替えや部品配置位置のハイライト、XDFデータのダウンロードによる詳細レビューも可能です。製造部門でも、XDFデータで部品情報や配置座標、ものさし機能などを活用し、生産における問題点を事前に確認できます。

4. 購買部門での活用
DS-2 Expressoに部品を登録する際、購買部門などの非設計部門も承認フローに入れることができ、部品登録の業務フローを一気通貫で行えるようになります。また、EOL部品の通知を受けた際、DS-Webでは該当するEOL部品を起点とした部品表への逆展開により、該当対象データを確認できます。DS-WebはWeb専用参照ライセンスを設けており、これまでシステム面や費用面などから導入が難しかった部門にも展開がしやすくなります。
また、EOL部品の通知を受けた際、DS-Webでは該当するEOL部品を起点とした部品表への逆展開により、対象データを確認できます。

DS-2 Expressoに加えてDS-Webを運用することで、設計資産を他部門の業務効率化にも役立てることが可能です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか? DS-2 Expressoに加えて、DS-Webも合わせて運用することで、設計資産を他部門業務の効率化にも役立てることが可能です。
DS-Webについての詳細は、ぜひ下記のウェビナー動画にてご確認ください。

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※ 注:本記事でご紹介したDS-2 Expressoの機能は、「DS-CR」でも同様の成果が得られます。お客様の設計環境に合わせて最適なご提案をいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

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