第51回 褒める気持ちを伝えるには技術が必要
2015年11月09日株式会社RDPi 石橋 良造
あなたは同僚や、部下、パートナーや子ども、そして周囲の人をちゃんと褒めることができていますか?今回は“効果的称賛”についてです。前回に引き続き、人との良好なつながりをもつための技術をご紹介します。
こんにちは、RDPi 石橋です。
人との良好なつながりを持つことは、辛いときや悲しいときにそこから抜け出す力を与えてくれるだけでなく、ポジティブな感情や生きる意欲を増やし、精神的にも身体的にも健康な状態をもたらすことが、様々な研究結果として報告されています。
前回は、人との良好なつながりをもつための技術として、コミュニケーション・スタイルとその中のひとつ、アサーティブ・コミュニケーションについて詳しく解説しました。今回は前回に引き続き、効果的称賛について紹介したいと思います。
効果的称賛(Effective Praise)
褒めることはお互いの理解を深め、よい関係を継続するために効果的な方法です。褒められてうれしいと思った経験は誰もが持っていると思いますし、褒めることが大切だというのは誰もがわかっていることだと思います。
良い関係を作るために褒めるというと打算的な感じになりますが、褒めるというのは相手に良い成果を継続してもらいたいという、相手に対する心からの興味、関心からの行動であり、相手のモチベーションを高めることにつながります。その結果、お互いの関係が強化されることになります。褒めることの直接の目的ではないのですが、そんな関係ができていることで、もし自分が落ち込んだときには、声をかけてもらえたり勇気づけてもらえたりすることもあるのです。
さて、あなたは同僚や部下、パートナーや子ども、そして周囲の人をちゃんと褒めることができているでしょうか?
自分の行動を振り返ってみると、褒めるというのはなかなか難しいものだと感じるのではないでしょうか。たとえ、自分は普段から褒めることを心がけているという人でも、「よくやった」「いいね」というようなお決まりの台詞だけになっているのではないでしょうか。
心から褒めているのに相手に伝わらないのはとても残念なことですから、効果的な褒め方を身につけておくことは大切です。それでは、効果的な褒め方とはどういうものでしょうか?
効果的な褒め方のポイントは、図152 にあるように3つに整理することができます。これを見ると、相手に関心を持って接していることが前提だということがわかります。つまり、効果的に褒めるというのは、相手のことを気にして見ているからこそできる行動なのです。