case13:気疲れしていた差動配線も、便利機能でラクラク作業
2015年11月26日今回の相談者は、基板設計会社に勤める設計者カズヤさん(48)。HDMIやDDR、LVDSが混在する画像制御基板の設計を担当しています。差動配線、差動クリアランスの確保、差動インピーダンス制御など、多くのルールに縛られた配線作業に、気疲れしてしまっているようです。
【case13】
最近、画像処理の基板設計を依頼されることが増えています。とくにFA機器はメンテナンス性の良さからFPGAが搭載されて、この多ピンBGAパッケージからの差動配線の引出し作業や差動インピーダンスを考慮した配線設計に手間取っています。
最近のCADは、差動配線がラクラクできると聞きました。どのようにラクになっているのでしょうか?
(基板設計者 カズヤさん)
こんにちは、カズヤさん。今話題の「魅せる白髪」はじめたんですね。ステキです。
顔色はあまり良くないようですが、あいかわらず多忙ですか?
やぁ!桃ちゃん。いまBGAパッケージから差動パターンを引いていたのだが、最近の差動配線は高速化して制約が多くなっていてね。1ペアを引き出すのにも時間が掛かって大変なんだよ。なんか“障害物を自動で避けながら”“差動配線をスイスイとキレイに引ける”便利な機能ないかな?
あら?偶然かしら。最近、他の方からも同じような質問されましたよ。その方は医療機器の基板設計をされている方で、同じようにBGAパッケージからのパターン引出しや差動配線の入力に苦労されていました。画像処理など大容量データの高速伝送を必要とする基板設計における共通の悩みなのかもしれませんね。
具体的にどういう作業で手間取っていますか。
なるほど。そこは皆さん苦労されているみたいです。カズヤさんはDesign Forceを使ってみたことがありますか。今年の夏にでたバージョン(2015.1)で、いまカズヤさんが悩んでいる部分の配線機能はかなり強化されていますよ。
※1 Line and Space:ポジとネガの配線幅と双方および他信号とのクリアランス
■ BGAからの差動配線の引き出しに便利な機能「ルール領域」「ピン間スナップ」
ルール領域境界で、それぞれの領域に設定されたルールに合ったL/Sに自動切り替わります。ピン間に中点や等分割のガイドが発生。マウスカーソルを合わせるだけで、ピン間を通すことができます。途中クリックは一切不要です。
■ 差動配線の引き回しに便利な機能「束配線」「自動接円弧処理」
束配線が差動コンストレインツに対応。差動配線コーナーが自動接円弧処理されL/Sを一定にキープして配線できます。
■ 差動配線をくまなく確認できる「コンストレイントブラウザー:差動レポート」
差動配線の並行/非並行配線長、差動インピーダンスのばらつきをレポートできます。トータルの準拠度も可能です。
■ 差動インピーダンスから差動配線のL/Sを即座に自動算出「フィールドソルバー」
Design Forceはフィールドソルバーを標準搭載。層厚・誘電率などから差動配線のL/Sを自動算出できます。
算出結果はルールとして配線時に参照できます。同様機能がシングルエンドラインにもあります。
おー。ピン間スナップ機能は便利そうだな。これがあれば今の作業はかなり捗りそうだ。まだ触ったこともないから、この仕事が落ち着いたら一度試してみようかな。
ありがとう、桃ちゃん。
配線機能が強化されているだけでなく、周波数ドメイン解析などSI解析機能も強化されているみたいですよ。こういうよく使う機能こそ便利になれば、格段に作業効率があがりますよね。
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図研のセールスエンジニア
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