MEMSセンシング&ネットワークシステム展 2024 出展レポート

1月31日(水)から2月2日(金)まで東京ビッグサイトで開催された「MEMSセンシング&ネットワークシステム展 2024」の模様をレポートします。
通常、複数の併催展で構成される展示会では冠名があり(例:「インターネプコン」や「プリント配線板EXPO」などを含む「ネプコン ジャパン」、「JPCA Show」や「JISSO PROTEC」などを含む「電子機器トータルソリューション展」など)、大きなテーマに沿って企画・開催されますが、本展には冠名はなく、ナノテク、エネルギー、機能性材料、めっきや塗装などの表面技術、水ビジネスなど、かなり広範な範囲のテーマを各展で持っている珍しい展示会となっています。

図研が出展した「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」は、次世代センサーに向けた要素技術をテーマとしており、その名の通りMEMSやセンシングなどに関連した製品やサービスなどを扱う30強の企業・団体が出展しました。10を超える併催展で構成された今回の中でも、実は本展は最も規模の小さいゾーンの一つであり、集客力にはやや物足りなさを感じてはいたのですが、2021年秋に図研がリリースした「CR-8000 MEMS Designer」の訴求に相応しい専門展はそう多くはなく、2022年から継続的に出展し、MEMSの動向やその開発へのニーズなどを探ってきました。

今回、これまでの2回の出展と大きく異なったのは、MEMS設計ツールへの引き合いを期待して来場者を待つだけではなく、本展の出展社や、関連展示を行っている企業様をこちらから回ってみたことでした。
その結果、MEMSの開発を行っている企業が複数あること、それ以外には顧客から設計データを受け取ってMEMSの製造を行っていたり、センシングやIoT関連の製品なり部品なりを開発し販売先を探していたりといった企業が出展している実態が判りました。

多岐に亘る本展の出展内容:テクニスコ様(左上)、泰興物産様(右上)、
センシアテクノロジー様(左下)、ポリテックジャパン様(右下)
 

設計ツールの紹介をしているのは本展内では図研のみで、正直なところ設計手法を求めている来場者も会場内には少ないように見受けられましたが、それでもこれまでに比べると、MEMS開発について会期中お話ができたお客様の数は増えた印象です。前回出展時に比べ、適用範囲が広がったのも要因の一つではないかと考えます。

ブース内パネル、およびセミナープレゼン内でご紹介した、
CR-8000 MEMS Designer での設計適用可能範囲
 

こちらからブースにお邪魔した出展社様、図研ブースへの来場者様を併せ、前回を超える10社以上の方が CR-8000 MEMS Designer にご興味を持ってくださいました。
「現状MEMSを別のツールで設計されているものの、メカCADでの編集工程に難を感じている」
「現在外部委託だが、今後社内で設計していきたい」
「新規事業としてMEMS開発を検討している」
「日本製ツールにしたい」
といった具体的な話をたくさん伺うことができました。MEMS単体はもとより、MEMSとその他の素子、メカ部品を含めたモジュールの開発ニーズが高まっていることも感じられました。

これまで訴求してきた協調設計にMEMS設計を加えた、新しいマルチボード設計環境を提案
 

また、2日目に「シーズ&ニーズセミナー」会場にて、モジュール設計/基板設計との連携、頂点編集機能など使いやすいUI、微小角度への対応・疑似エラースクリーニングによる高効率な検証といったMEMS Designer の紹介を行いました。講演資料は こちらで公開 していますので、ご興味がおありの方はぜひダウンロードしてご覧ください。

会場では一般社団法人マイクロマシンセンター様による講演も行われ、近年海外に押されがちな状況に対し、MEMS戦略の立案や産学官連携での研究の推進、MEMS人材の育成、ファウンドリの整備・拡充といった提言もなされていました。今後のMEMS動向を注視するためにも、注目しておきたいイベントであるとあらためて認識しました。

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