第16回 Femtet ユーザ会 出展レポート
2026年07月14日6月19日(金)にTKPガーデンシティPREMIUM品川高輪口で開催された「第16回 Femtetユーザ会」に出展しましたので、その模様をレポートします。午前より操作体験およびよろず相談会、午後からセミナーおよびデモ展示が実施された今回、定員120名が満席となり、Femtetユーザ様の着実な広がりと高い関心が感じられる会となりました。

Femtet新機能紹介から、バラエティ豊かなユーザ事例まで充実のセッションラインアップ
最初に「Femtet2026新機能の紹介」と題し、株式会社村田製作所 共通基盤技術センター 設計プロセス開発部 シニアマネージャーの松高 普二様より発表がありました。最新バージョンアップ内容として、各種メッシャ機能の向上(曲率に基づいた自動メッシュサイズ調整、成長率制御など)によるロバスト性の大幅改善、解析速度の向上(流体で約3割弱、応力解析・圧電解析で3~5割)などが説明されました。さらにAIエージェント連携機能を開発中であることも紹介され、会場の関心を集めていました。
その後行われたユーザ事例および技術セッションには、積水化学工業様・オムロン様・村田製作所様の3社が登壇し、その中で「Femtetを個人のツールにとどめず、組織の判断や意思決定の仕組みとして根付かせる」という共通するテーマが浮かび上がりました。
材料開発へのCAE活用を推進する積水化学工業様、PythonやAIと組み合わせて設計リードタイム短縮を実現したオムロン様、解析を組織の標準的な判断フローに組み込んだ村田製作所様 ——それぞれアプローチは異なるものの、いずれも「解析結果をどう活かすか」という問いに真剣に向き合い、組織への定着と展開を視野に入れた取り組みを紹介されていました。Femtetが設計現場の道具から、組織の知的資産へと進化しつつある様子が伝わる各セッションでした。
電子機器開発における課題を解決するエレメカ協調フローを紹介
今回図研はムラタソフトウェア様からお声掛けをいただき、共同で「2D基板設計から3D熱応力解析へ – Design Force ✕ Femtetが拓くエレメカ協調設計の新しい実践 -」と題したパートナーセッションを行いました。

「評価NGが出てからシミュレーションを始めても品質改善にならず、人材が疲弊するだけ」という問題意識を出発点に、メカ・エレキ・解析間の「連携コスト」を下げることの重要性を提起しました。具体的には、①メカからの3Dデータ取り込み、②エレキ設計での3Dデータ活用、③用途(メカ向け・解析向け)に応じた3Dデータ出力という3ステップでの「全員にメリットのあるエレメカ協調設計」実現を訴求しました。Design Forceのエクスポート機能を用いたParasolidデータ出力とFemtetへのインポートから、ソルバ選択・材料定数設定・発熱設定・放熱設定といった解析条件設定までの流れや、導体層をシートボディとしてエクスポートする機能を活用し、すき間のないソリッドモデルに近い熱解析・応力解析結果が得られることなどもご紹介しました。
大盛況の図研ブース、Femtet連携の質問など引きも切らず
当初の予定から約10分のアーリーオープンとなった展示コーナーは、ユーザ会セッション開始前から盛況で、以降休憩時間の度に人だかりができました。

CR-8000 Design Forceの概要、およびパートナーセッションでも紹介したFemtetとの連携、また製造までを含んだ領域などについて、
「Design Forceユーザだが、Parasolid連携については知らなかった。便利そうで使ってみたい」
「現在連携機能を使っており、オブジェクトの出力について具体的な質問がある」
「社内のライブラリに解析に必要な情報が十分に入っておらず、課題と感じている」
「配線パターンがDXFやPDFで来るので、CADデータ化が大変。ツールでなんとかできないか」
といったさまざまなお声をいただきました。
またセッション後の懇親会でも、図研社員を含む参加者間で活発な意見交換が行われました。Femtetの活用方法やエレメカ協調設計の可能性について、さまざまな立場からの意見が飛び交い、有意義な交流の場となりました。
今回のユーザ会では、単なるツール活用にとどまらず、CAEを組織の「判断の仕組み」として定着させる視点や、生成AIとの連携による新たな可能性など、Femtetをめぐる取り組みの幅広さと深化をあらためて実感しました。次回も機会をいただけましたら、ぜひ参加したいと思います。