第3回 機能別の回路をモジュール化することから始めよう

先頃開催したZuken Innovation World 2015でエレキモジュラーデザイン関連の講演でアンケートをとったところ、「(エレキモジュラーデザインは)必要性を感じるが、取り組み方がわからない」という方がまだまだ多いということが分かりました。そこで今回は、手始めとして今ある環境でできることをご紹介します。


 

10月に開催したZuken Innovation World 2015のエレキモジュラーデザイン関連の講演で寄せられた声に、「製品のどの部分をモジュール化するか、またどのように情報共有するかが課題(計測機器メーカ)」「回路設計者は同様回路ブロックでも個別に回路作成していて効率が悪い(音響機器メーカ)」などがありました。

読者の皆さまへは、釈迦に説法だとは思いますが、製品の機能別の回路をどの設計でも使える回路モジュール化し、設計者自身だけでなく設計部門内で共有できれば、得られるメリットは計り知れません。製品のバージョンアップや製品群開発などのさまざまなケースにおいて、回路品質が安定するだけでなく、調達する電子部品を統廃合できます。さらに、新規開発ではコスト見積もり、設計期間見積りの精度が大きく向上することが容易に想像できます。

 

しかし、実際にモジュラーデザインの取り組み状況を調べてみると、「第1回 エレキモジュラーデザインに必要な回路モジュール整備」の記事で示した1年前の状況からあまり進んでいないようです。
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今回は、上のグラフで「必要性を感じるが取り組み方が分からない」という方々に向けて、図研が提供するアプリケーションを活用すると、どういった取り組みが始められるかについてご紹介します。

 

 

今すぐ始められる!回路の共有「シンボルシート」の活用

エレキモジュラーデザインのはじめの一歩といえば、活用頻度の高い回路をブロック化、つまり回路の正規化作業です。製品回路網に組み込まれた回路から回路ブロックの候補を選定し、どういった用途で使うのかの洗い出しや、設計者間の活用イメージのズレを解消することが必要となり、このあたりが敷居を高くしていると思います。

そんな方は、まずは既存の回路図から必要な回路網を切り出して活用することから始めてみるといいかもしれません。

CR-8000 Design Gatewayには「シンボルシート」機能が用意されており、この機能を活用することで既存の製品の回路図データから回路を切り出し、その回路を現状の設計に「シンボル」として活用できるようになります。このシンボルシートの活用を進めることで、回路ブロック化への一歩が始められるのではないでしょうか。

 

CR-8000 Design Gateway「シンボルシート」機能紹介動画(42秒 音声なし)

 

過去の回路をブロック化!ブロックデータの共有による「階層ブロック」の活用

CR-8000 Design Gateway の標準機能でもうひとつおススメなのが「階層ブロック化」を活用することです。これを使うと、回路を小分けにできます。
ブロックデータは流用や共有などを選択でき、管理面で回路の鮮度維持の手間を省力化できます。

 

■流用(ブロック)設計機能
・ ブロック化された回路図を、絵柄だけでなく、属性情報も合わせて現在設計中の回路図に流用できます。
・ ブロックの型は“共有”、“流用”、“リンク”、“埋め込み”が選択でき、複雑な運用にも対応します。

回路ブロックの流用

(※クリックで拡大します)

普遍的な機能の回路は、正規化してブロック管理することはそう難しいことではないでしょう。しかし、製品ごとの細かな仕様差異を調整する回路や、電子部品のトレンドに応じて改版をする必要がある回路については、デバイスメーカーからリファレンス回路を提供してもらい、製品仕様にマッチした回路を1からつくる必要があります。こういったケースでは回路作成に係るリソースが必要なだけでなく、検討のタイミングでタイムリーにCADデータを用意しなければならないため、”エレキモジュラーデザインの適用が難しいのでは?”とお考えの方が多いのではないでしょうか。

そんな設計者を悩ませる問題を解決すべく、図研はデバイスメーカーと協調して、リファレンス回路をCADデータで無償提供しています。それが、ModuleStationです。

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