「いつでも、どこでも、何度でも」が大好評! 新講座も充実のeZラーニングをご紹介

以前設計者のスキルアップや社内の技術伝承にお困りの企業様に向けた新企画として、図研テックの「eZラーニング」をご紹介しました。新型コロナウィルス流行の折、対面コミュニケーションが難しい中でのこうした課題の解決手段として定着し、受講者数は順調に伸びていきました。
また当初、EMC設計と熱設計の各基礎編・応用編でサービスを開始した「eZラーニング」は、2024年11月現在、回路設計、熱設計のためのMBD、LTspiceを活用したSI設計といった講座が追加され、より幅広いニーズに対応できるようになりました。
今回、堅調に成長している同サービスについて、ここまでの運用実績から見えるお客様課題の傾向やeZラーニングへの期待などを交え、図研テックの橋本・手塚両氏に語ってもらいました。

 

コロナ収束後も人気は衰えないとのことですが、どのような背景があると考えますか?

eラーニングの利点は、「受講する時間・場所に縛られないこと」と「受講者それぞれが自分のペースで受講できること」です。この2つの利点は、図研テックの「eZラーニング」のように、設計者向けの教育・研修講座では、想像以上に大きな利点としてご評価いただけていると考えています。少し長い説明になってしまいますが、集合研修とeラーニングを比べてみると、わかりやすいかもしれません。

図研テックの「EMC設計」「熱設計」の教育・研修講座は、集合研修形式で2013年から提供しているサービスです。2020年4月の緊急事態宣言以前、教育・研修は「対面=集合研修」が”当たり前”と、受講いただくお客様も、講座を提供する私たちも考えていました。当時からEMC設計や熱設計の講座の内容は、幸いにも多くのお客様にご評価をいただいていましたが、集合研修には「開催日程の調整」「開催場所の調整」「講義時間の制約」の3つの課題があります。

さまざまな開発プロジェクトに関わる複数の設計者のスケジュールを調整して、設計実務を1日~2日止めて研修に充てるわけですから、教育・研修を企画・推進する立場のお客様(設計部門の責任者や人事総務系の専門部署の方)の「開催日程の調整」のお悩みは決して軽くないと思います。加えて、多拠点で開発をしているお客様であれば、研修開催日に”同じ場所”に受講者を集めることを検討しなくてはなりません。ここまで大がかりな調整が必要ない場合でも、”集合研修ができる広さの会議室”が限られており、理想通りに予約できないなど、「開催場所の調整」も思いのほか、ご負担になることが多い印象です。

また、実際に受講するお客様(設計者)に目を向けると、受講後のアンケートに「十分に理解できなかった箇所を再度説明して欲しい」や「他の質問が多く、自分が聞きたかったことを質問する時間がなかった」といったご意見をいただくことは珍しくなく、限られた時間のなかで受講者全員に満足していただくペース配分で講義を進めることの難しさを痛感しています。これについては、集合研修の実施後、一定期間はメールで質問を受け付ける、アンケート結果などを集計して研修の実施報告会を開かせていただき、その場で受講者の方から追加の質問に回答する、といったフォローを行ってきましたが、「講義時間の制約」は、なかなか根本的な解決が難しい課題です。

その点、eラーニングは、ご契約期間内は「いつでも・どこでも」、「ご自身のペースで、理解できるまで何度でも」受講していただくことができますので、教育・研修を企画・推進する立場のお客様にとっても、実際に受講するお客様(設計者)にとっても、メリットが大きい講座のご提供形態であると評価いただけているのではないか、と考えています。

 

図研テックのeZラーニングが他のeラーニングと異なる点を教えてください。

競合サービスをくまなく調査しているわけではないので、「eZラーニング」だけの特徴・特異性だという確信はありませんが、講座コンテンツの編集方針として、用語や理論の解説だけではなく、設計者の実務に役立つ実践的な内容とすることを最も大切にしています。

講座の構成については、集合研修でご提供している頃から好評だった、講座の受講前後で受講者がご自身の知識量の変化をセルフチェックできる「理解度調査」、受講後に全体の理解度をはかる「理解度確認試験」といった仕組は「eZラーニング」でも継続しています。

メールフォームを通じたご質問の回数に制限はありませんし、回答も含め受講者の皆様で内容は共有できますので、「eZラーニング」は集合研修の利点である双方向性に、できるだけ近づけることを意識しています。

他方、eラーニングは集中して視聴し続けることが難しいという弱点があるので、テキストの章末には、その章で理解するべきことが整理できる「章末問題」を設けています。「章末問題」が難なく正解できれば次の章へ、不正解が多ければ巻き戻して受講する、というように無理のない受講ペースをつかんでいただくための工夫です。

これらが「eZラーニング」の特徴・特異性ではないでしょうか。

また、管理者である教育・研修を企画・推進する立場のお客様向けには、毎月1回の受講者の進捗状況をレポート、受講期間終了後にはアンケートや「理解度調査」「理解度確認試験」の結果をまとめた報告書を提出しています。eラーニングの導入後に、受講者の進捗確認や再度の動機付けに思わぬ手間がかかってしまう、といったお悩みや、これはeラーニングに限らず企業研修全般によくある課題かも知れませんが、「結局、研修を受けて何がどうなったのか?」という社内報告も、管理者の方のご負担になっていると思いますので、図研テックから提出させていただく報告書が少しでも負担軽減に貢献できれば、と考えて集合研修で提供していた頃から継続しています。

その他、講座の修了認定証として「オープンバッジ」を発行していますが、昨今ではお客様の社内研修制度の一環として運用されているケースも増えてきているようで、管理者にも受講者にも思いのほか好評です。

受講者はどういった方が多いのでしょうか。

取り扱っている講座が「EMC設計」「熱設計」「回路設計」といった、ハードウェア設計に関するものなので、受講者の専門分野の観点ではエレキ・メカの設計者が中心です。
グラフは2020年度~2023年度の3年間に受講いただいた約4,000名のお客様の「専門分野」の内訳です。ご覧のとおり、エレキ・メカの設計者が全体の90%程度を占めています。

次に、実務経験年数ですが、実務経験5年未満までの若手設計者が全体の約40%、実務経験5年以上の中堅~ベテラン設計者が全体の約60%、という内訳です。専門分野と同様に、2020年度~2023年度の受講者データの集計結果です。

中堅・ベテランの設計者が、これほど多く受講していることを不思議に思われるかも知れませんが、メカ設計者が回路設計の講座をリスキリングの一環として受講するケースや、EMC設計、熱設計に詳しい中堅・ベテランの設計者が、OJTをする際に自身の経験を上手く言語化して端的に伝えるヒントになれば、といった動機で受講いただいています。

 

各講座コンテンツの更新や、講座の新設など、アップデートはどのように進めていますか?

先に講座コンテンツの更新についてお答えすると、「eZラーニング」のすべての講座は、受講者アンケートなどを参考に、お客様の要望を取り込むほか、事例や図解などを中心にトレンドを踏まえたアップデートを積み重ねています。

次に講座の新設ですが、2020年7月のリリース以降、「LTspiceを活用したSI設計実習」と「熱設計のためのMBD入門講座」、「OpenModelicaプログラミング講座」、「流体及び流体モデルの利用講座」を新設しています。これらは講座名から想像がついてしまうと思いますが、「EMC設計」や「熱設計」の講座を受講いただいたお客様からのご要望にお応えして、「eZラーニング」に加えています。それぞれ原型となる集合研修のカリキュラム・テキストがありましたので、迅速にニーズにお応えできたのではないか、と思います。

直近のアップデートをご紹介すると、2024年10月に「回路設計教育」に、横浜国立大学 小原准教授に全面的に監修いただいて「パワーエレクトロニクスの基礎」を追加しました。トレンドを考えるとパワーエレクトロニクス、電力変換技術の知識習得は、多くの回路設計者に有益だと考えてご用意した講座です。リリースに合わせて、講座内容をご紹介する無料セミナーを実施しましたが、ご参加いただいた皆様から概ね高評価をいただくことができました。講座で取り扱う範囲や難易度について適切なコンテンツがご用意できたと考えています。


 

費用感が気になります。料金体系がどうなっているか教えてください。

「eZラーニング」の最小の利用プランは「1講座の利用期間3ヶ月間60万円+利用者1名様あたり1,500円のLMS()利用料(20名様までID作成可能)」です。最大の20名様で3ヶ月ご利用いただく場合は、63万円(1名様あたり10,500円/月)でご利用いただけます。

受講人数によるボリュームディスカウントがありますので、詳しくはサービス資料をダウンロードしてご覧いただき、ご不明点があれば、お気軽に図研テックのセールス担当者にお問い合わせください。

(資料DLフォーム)https://www.zukentec.co.jp/entry_download/?doc%5B%5D=1404
(問い合わせフォーム)https://www.zukentec.co.jp/contact/

※ LMS :(Learning Management System):学習管理システムの略、eラーニングの講座の受講環境であるとともに、受講者のIDや進捗を管理するためのプラットフォーム。

以前から設計者教育分野は大きな柱として持っていた図研テックですが、コロナ禍という未曽有の出来事をパラダイムシフトの機会と捉えてeラーニングに舵を切り、継続的にチューニングやコンテンツ拡充などを行ってきたことで、お客様の支持を得られたことがわかりました。
今後もますますの利用者拡大が見込まれる「eZラーニング」を、ぜひこの機会にご検討してみてはいかがでしょうか。

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