たとえば大きなプレス機械では手を挟む危険がある。本質的安全のアプローチとしては手が入るような開口部を設けないことが考えられる。しかし作業の手順上どうしてもプレスの合間に中に手を入れる必要があるとする。このような場合、プレス機に手を差し込む口に、LEDの光とセンサーを付けておき、手(手に限らず、足でも鉛筆など何か)がプレスエリアに入ってきたら、機械の電源を遮断する装置を取り付けたとする。「うっかり」プレスが動いている最中に手を入れても、このLEDセンサーが反応すればその瞬間電源が切れてプレスは停止するため、「うっかり」が「挟まれ事故」につながる可能性(頻度)を低くすることができる。これによりトータルのリスクを低減することを狙う。これは機能安全的アプローチである。このたとえのなかで、「LEDの光が遮られたら、プレス機の電源を遮断する」という、安全のためのある特定の1つの機能を、安全機能(Safety Function)という。そして、この安全機能を実現するために関係するシステムを、安全関連システムという。プレス機の場合では、LEDを光らせる装置、光の遮りを検知する装置、光の遮りを検知した信号を受けてプレス機の電源を遮断する装置、などがこの安全機能の安全関連システムである。