ISOやIEC、JISのように、製品や組織の活動に対しての規定のうち、クリアすべき具体的な数値を提示するスタイルの規定を仕様規定という。一方、達成するべき性能を規定し、それを実現する手法は製造者や組織に任せるスタイルの規定を性能規定という。

これまでの国際規格や国内規格は、仕様規定であることがほとんどであったが、近年の機能安全やサイバーセキュリティなど、コンピュータが関係する国際規格では、性能規定のスタイルが取られることが多い。コンピュータが関与した場合、その実現方法に様々なアプローチがあり、仕様規定では網羅できないこと、技術の進歩が激しく、具体的な数値の規定が困難なケースが出てくるためであろう。国内の規格も、国際規格に準じて、性能規定が採用されるケースが増える見込みである。

経済産業省 電気用品の技術上の基準を定める省令の全部を改正する省令(説明会資料)

http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/hourei/gijutsukijun/130701_revise/131100_presentation.pdf

仕様規定では、文字通り決められた仕様(数値目標)を試験などで実証すればクリアとなる。その一方、性能規定ではどのような想定をして設計仕様を決めたのか、メーカ側に説明責任がある。今後コンピュータが安全性に関与するような製品は増えていく。リスク分析に基づく開発設計(リスクベースデザイン)がますます重要になっていく。