リスク分析をするため、障害(危険な事象)を洗い出す手法の1つ。対象物を単純な機能の要素に分解してゆく。分解した対象要素の、プロパティ値が正常な値から逸脱した場合に何が起こるかを考え、危険な事象をもれなく見つけようとする作業。プロパティ値とは、多い、少ないなどの「程度」や「量」であらわされるものであれば何でもよい。その対象物への入力値、内部の値、出力値など。プラントならば、温度や流量や圧力が相当するし、人間ならば血圧や体温が相当するかもしれない。ソフトウェアプログラムならば、関数への入力変数、関数からの出力変数かもしれない。要素の故障が明確な場合はFMEAを用いたが、変数量の逸脱の仕方によって障害を見つけようとする点が異なる。
HAZOPでは、対象のプロパティ値1つに対して、「多い」「少ない」「無い」「遅い」「早い」などの抽象度の高い言葉を当てはめ、ブレインストーミング風に関係者でディスカッションをしながら、その言葉から連想される危険な事象を見つけてゆく。正解はないので、1つのガイドワードに対していくつも連想できる場合もあれば、なかなか思いつかず時間がかかる場合もある。