気疲れしていた差動配線も、便利機能でラクラク作業

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更新日 2016-01-20 | 作成日 2007-12-03

設計のお悩み解決します。

教えて!桃子先生☆

2015.11.26


今回の相談者は、基板設計会社にお勤めの設計者カズヤさん(48)。FA機器メーカーからの注文で、高速画像処理基板の設計を担当しています。高速伝送仕様なため思いのほか差動配線に手間取り、残業が続く日々に悩まされています。

【case13】
最近、画像処理の基板設計を依頼されることが増えています。とくにFA機器はメンテナンス性の良さからFPGAが搭載されて、この多ピンBGAパッケージからの差動配線の引出し作業や差動インピーダンスを考慮した配線設計に手間取っています。最近のCADは、差動配線がラクラクできると聞きました。どのようにラクになっているのでしょうか?

(基板設計者:カズヤさん)

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こんにちは、カズヤさん。今話題の「魅せる白髪」はじめたんですね。
ステキです。
顔色はあまり良くないようですが、あいかわらず多忙ですか?


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やぁ!桃ちゃん。いまBGAパッケージから差動パターンを引いていたのだが、最近の差動配線は高速化して制約が多くなっていてね。1ペアを引き出すのにも時間が掛かって大変なんだよ。なんか“障害物を自動で避けながら”“差動配線をスイスイとキレイに引ける”便利な機能ないかな?


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あら?偶然かしら。最近、他の方からも同じような質問されましたよ。その方は医療機器の基板設計をされている方で、同じようにBGAパッケージからのパターン引出しや差動配線の入力に苦労されていました。画像処理など大容量データの高速伝送を必要とする基板設計における共通の悩みなのかもしれませんね。
具体的にどういう作業で手間取っていますか。


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俺がいま一番困っているのは、さっき言ったBGAからの差動配線の引き出し作業だね。
多ピンBGAは、内側のピンから差動配線を引き出してくる場合があるのだが、他のピンやビアが障害物になるから避けなきゃいけない、さらに差動配線がピンとピンの中点を通るように引き出さなきゃいけない。おまけにBGAの外に引き出したら、差動インピーダンスの都合があるから、L/S(※1)を変えなきゃいけないだろ。ルール領域をまたぐ箇所は後で手直しも必要なんだ…。さらに配線コーナーを円弧にする場合もあって。最近は差動配線の本数も増えてるから手間がかかるよ。


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なるほど。そこは皆さん苦労されているみたいです。カズヤさんはDesign Forceを使ってみたことがありますか。今年の夏にでたバージョン(2015.1)で、いまカズヤさんが悩んでいる部分の配線機能はかなり強化されていますよ。

※1  Line and Space:ポジとネガの配線幅と双方および他信号とのクリアランス


■BGAからの差動配線の引き出しに便利な機能「ルール領域」「ピン間スナップ」
ルール領域境界で、それぞれの領域に設定されたルールに合ったL/Sに自動切り替わります。
ピン間に中点や等分割のガイドが発生。マウスカーソルを合わせるだけで、ピン間を通すことができます。途中クリックは一切不要です。

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■差動配線の引き回しに便利な機能「束配線」「自動接円弧処理」
束配線が差動コンストレインツに対応。差動配線コーナーが自動接円弧処理されL/Sを一定にキープして配線できます。


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■差動配線をくまなく確認できる「コンストレイントブラウザー:差動レポート」
差動配線の平行/非平行配線長、差動インピーダンスのばらつきをレポートできます。
トータルの準拠度も可能です。

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■差動インピーダンスから差動配線のL/Sを即座に自動算出「フィールドソルバー」
Design Forceはフィールドソルバーを標準搭載。層厚・誘電率などから差動配線のL/Sを自動算出できます。算出結果はルールとして配線時に参照できます。
同様機能がシングルエンドラインにもあります。

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おー。ピン間スナップ機能は便利そうだな。これがあれば今の作業はかなり捗りそうだ。まだ触ったこともないから、この仕事が落ち着いたら一度試してみようかな。
ありがとう、桃ちゃん。


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配線機能が強化されているだけでなく、周波数ドメイン解析などSI解析機能も強化されているみたいですよ。
こういうよく使う機能こそ便利になれば、格段に作業効率があがりますよね。
みなさんも、ぜひエクスペリエンスで体験してみませんか。

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また、今後「CR-8000エクスペリエンス」では、様々なテーマでセミナーを開催する予定です。ご期待ください。

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読者の皆さまにお伺いします。

【みなさまは差動配線でどのような点で苦労されていますか?】



差動信号の本数が増加している
差動信号の制約が厳しくなっている。
差動信号のSI解析ニーズが増えている。
その他
詳細をお聞かせください。


今回の記事について詳細なご説明をご希望の方は、
Club-Z編集局(clubZ_info@zuken.co.jp)までご連絡下さい。


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★桃子先生プロフィール★
図研のセールスエンジニア
体験型セミナー【CR-8000エクスペリエンス】では講師も務める。
好き:探偵ナイトスクープ
嫌い:あんこ

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