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図研ベテランSEによる知って得する機能解説
-設計支援機能:BD Rev.14,15 新規機能編-
2012.10.25
CR-5000/Board Designerでは、設定操作の改善やレポート機能の強化など、基板設計者の設計付帯業務の効率化を目的とした設計支援機能をリリースしています。今回は、2012年11月にリリースを予定しているRev.15からも新規機能をピックアップしてご紹介します。
- ネットルール設定作業の効率向上:ネット属性設定(Rev.14新規機能)
- 差動ペア定義の効率向上:差動ペア一括定義・削除(Rev.14機能追加)
- 配線長レポート作成の効率向上:配線長レポート(Rev.14新規機能)
- フォト出力後のCAM検証作業の効率向上:フォト出力-CAM検証自動実行(Rev.15機能追加)
- リソースファイルのメンテナンス作業の効率向上:リソースファイル差分出力プログラム(Rev.15新規機能)
■1.ネット属性設定
設計操作の改善の1つ目は、ネットリストを利用したネット属性の受け渡しができない場合に有効な、キャンバス上からの「ネット属性設定」です。キャンバス上で選択したネット、ピンに対して、属性の設定やネットグループの追加操作などが、複数まとめて簡単にできます。
従来のリビジョンでは、“ネットオブジェクト”ダイアログに、基板上の全ネットが表示されている一覧から、目的のネット名を選択し、属性を編集したり、ネットグループを作成する必要がありました。
ネット属性設定
Rev.14の新規機能を利用すると、キャンバス上で目的のネットを確認しながら、
「ネット・Eネット・差動ペアの属性設定」や、「ネットグループの追加や属性設定」が可能となり、作業効率が向上します。
■2.差動ペア一括設定・削除
設計操作の改善の二つ目は、「差動ペア一括定義・削除」です。
CR-5000/Board Designerで差動ペアのオブジェクトを自動で一括定義、削除することができるようになりました。
従来のリビジョンでは、差動ペアを一つずつ定義する必要があり、基板内で多くの差動信号が使用されている場合、差動ペアを定義する作業の負荷が大きくなっていました。
Rev.14より、差動信号のポジティブネットとネガティブネットのネット名が、一定の規則に基づいて命名されている場合、接頭語、接尾語を指定することで該当するペアネットを検索し、一括で差動ペアの定義ができます。バス信号を考慮した定義も可能です。また、差動ペアを一括で削除することにも対応しました。
差動ペア一括定義・削除
これにより、差動ペアを定義/削除する作業負担の大幅な軽減を実現し、設計効率が向上します。