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図研ベテランSEによる
知って得する機能解説 -BD編-
2008.06.19
この10数年の間に、急速に電子部品の表面実装部品化が進みましたが、電気機器の電源回路や音響機器アンプ、照明機器、インバータ回路などを代表例として、発熱や容量、絶縁や振動や耐久性などの理由もあり、現在も挿入実装部品が必要とされています。
基板設計では、挿入実装部品(ラジアル部品/アキシャル部品
等)を使用する場合、配置された部品と挿入実装機のヘッダ
/アンビル
が干渉しないことを求められます。しかし、実装機からの制約形状は複雑で大きく、さらに実装工程順序や部品の実装順までを考慮するといった独特な難しい条件を求められます。そのため、挿入実装部品が多く搭載された基板に対して部品配置することは、高密度基板よりも難しい場合もあります。
CR-5000/Board Designer Rev.11の新規機能であるARC(アッセンブリング・ルール・チェック)は、このような挿入実装部品の制約をオンラインでチェックできるようになります。これにより、今まで目視や勘で行なっていたチェックを、CAD上で設計しながら実施できますので、設計品質の向上や検図や目視工数を削減していただけると考えております。
では、ARCの機能トピックスをご紹介させていただきます。
『オンラインチェックによる部品配置』
ARCはオンラインDRCに対応しております。そのため、部品配置、部品移動のコマンド実行時にチェックが可能です。
オフラインチェックの場合、配置>チェック>移動>チェック>移動・・・といったように移動コマンドとチェックコマンドを交互に実行しなければなりません。修正が簡単なチェックであれば、オンライン化する必要はありませんが、ARCの場合は複雑なチェックであるためオンラインでの対応をしております。
アンビル形状(黄色)とクリンチリード(水色)の近接配置をする場合のオンラインDRC。
<アンビルとクリンチリードが接触すると、リードのクリンチ状態が戻るため部品の脱落やはんだ不良などの問題を引き起こす可能性があります。>