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- Integrityという単語をそのまま「完全性」と訳した時点で、もう判らなくなる気がしますよね。申し訳ありません。
- とはいえ、これも適切な日本語を見つけることがすごく難しいです。ざっくり言えば、前述の「安全機能」を確実に達成するための要求事項です。仕組みや機能を持って対策しても、たとえばセンサーと警報機の間のケーブルが断線していては意味ありませんよね?またはしょっちゅう故障して(かつ故障が人知れず発生する)使えない場合は、これも意味ありません。このように、安全機能が適切に動作し、危険な状態を回避するために、必要な仕様を安全完全性要求と呼称しています。
- IEC-61508を代表する指標としての「SIL(Safety Integrity Level)」という指標は多くの方がご存知かと思いますが、このSILの「I:Integrity」も同じ意味です。要は、危険な状態を回避するための機能(Function)が、どれだけ確実に動作するのかのレベル付けがSILですので、この場合でも「ちゃんとうごく」ための要求事項が安全完全性要求です。あえていえば、「ちゃんと」がIntegrityのイメージです。
- 安全完全性要求は、設計制約などの「文章」で表される項目もありますが、数値でその発生確率の上限を規定する項目もあります。この場合、これをレベル付けすることで、SILという指標のレベルを規定します。結局IEC-61508とは、このIntegrityを追求するための仕組みづくり、と言い換えることも出来ます。
- とここまで書いてみて、「Integrity」の訳はやはり難しいですね。本メールマガジンでは「完全性」と直訳して扱うこととします。
