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図研ベテランSEによる知って得する機能解説
-システム設計とモジュール設計手法編-
2012.12.20
今回は、Design Gateway(以下DG)の最新機能であるシステム回路設計と、現在、重要性や有効性が認識されつつある、モジュラーデザインを支援する機能についてご紹介します。
■システム回路設計
製品の小型化、多機能化に伴い、筐体内部に配置される基板も小型化、複雑化し、単体基板のみでの設計や検証では製品の性能を短いリードタイムで実現することが困難となっています。この変化により、回路設計時に以下のような様々な問題が発生しています。
問題① |
回路図の管理が煩雑 |
問題② |
基板間を接続する信号の整合性の確認や、基板間を流れる高速信号の品質の検証、解析の必要性が高まっているが、基板間を流れる信号のチェックができない/やりにくい、全体の回路を一枚の紙やPDFで参照できない |
問題③ |
基板割りなどの仕様変更の際に、回路図を書き直す必要がある |
問題④ |
部品点数の少ない小さな基板でも複数の回路図に分けて書かなければならず、回路図の作図や出図に伴う作業に重複が起こる (部品選定、DRC、仕向け一覧表の作成、PDF出力、ネット出力、部品表出力など) |

このような問題に対して、DGではシステム回路設計を支援する機能をご用意しております。これにより、複数の基板の回路図を1シートに作成できるので、回路図上で基板間を流れる信号の検証が容易にできるようになり、また複数の基板ごとの情報を一度の操作で出力できるので、重複する作業を削減できます。
●システム回路設計の流れ
手順① |
回路図の作成 製品単位で回路図の設計を行います。 |
手順② |
回路図を複数基板に分割 [グルーピングフレーム]を使用し、各基板ごとに回路図を分割します。 |
手順③ |
回路図全体のチェック 回路図全体でDRC(デザインルールチェック)やCircuit Adviser(電気特性を考慮した様々なルールチェック)のチェックを行います。 |
手順④ |
各基板ごとの情報を出力 回路図から一括/または個別に各基板のネットリスト、設計ルールリストを出力します。 また、必要に応じて各々の基板での設計変更を回路図にバックアノテーションします。 |

●効果
効果① |
製品単位でのデータ管理ができる |
効果② |
基板間を流れる信号や基板間接続の整合性を簡単にチェックできる |
効果③ |
フレームの分割範囲を変更するだけで基板割りの変更に対応できる |
効果④ |
重複作業の削減 |
DGのシステム回路設計機能をご利用いただくことで、このように複雑化した環境を整理し、効率的に設計を行うことができます。
