Products
図研ベテランSEによる知って得する機能解説
-CR-8000 Design Force版 EMCアドバイザEX 新登場!!-
2012.11.22
■ EMCルールベース検証ツール 「EMCアドバイザEX」
前置きが長くなりましたが、CR-8000 Design ForceでリニューアルしましたEMCアドバイザのご紹介です。本ツールは、従来のEMCチェックルールや機能を踏襲した上で、新しいコンセプトを盛り込みました。
●リニューアル! EMCアドバイザEXの特徴
- (1)設計中断がないEMC設計環境を実現
- (2)3次元空間による結果ビュー参照が可能
- (3)豊富なEMCチェックルール数を実装
- (4)マルチボードのEMC検証が可能
それでは、それぞれの特徴についてご説明します。
(1)設計中断がないEMC設計環境を実現
EMCアドバイザEXはプリント基板設計CAD/CR-8000 Design Force上で、設計データを直接ルールチェックできます。EMCの問題となりうる箇所の図形がハイライトし、基板パターン修正を促します。基板設計の中断がなく、EMC設計品質を確認しながらDRCコマンド感覚でEMC設計をすることが可能な設計環境です。
(2)3次元空間による結果ビュー参照が可能
EMCアドバイザEXは、Design Forceの3次元空間の表現力を用いたチェック結果ビュー参照が可能です。これまで、多層基板においてリターン経路チェックを行い結果参照する場合、表示層を切り替えながら確認していました。それが、EMCアドバイザEXであれば、3次元空間で直観的に、効率よく検証が行えます。すでにお客様からも、デザインレビューの場において第三者に設計レイアウトを説明しやすくなったという意見も頂戴しています。
垂直断面表示機能により3次元ビューだけでなく、基板断面の構造を踏まえた確認も可能です。
また、従来での2次元でのチェック結果ビュー参照も可能です。
(3)豊富なEMCチェックルール数を実装
EMCアドバイザEXは、従来のチェックルールを統廃合し、効果のある全36種類のEMCルールを実装しています。様々な観点から自動チェックを行うことで、検証の見落としというリスクを回避することが可能です。各EMCルールは、電気回路網や電磁気学における原理・原則や、図研テクニカルラボでの研究成果、お客様からのご要望から開発しています。
(4)マルチボードのEMC検証が可能
EMCアドバイザEXは、新たなコンセプトであるマルチボードEMC検証に対応します。メインボード上の半導体ICに接続された高速信号ラインが、コネクタ・フレキシブル基板・コネクタ・サブボードにまたがっている場合、どのような経路を通ってリターン電流が流れるのかを把握することが出来ませんでした。複数基板が接続された製品も増え、信号が高速化するにつれて、マルチボードレベルでのEMCの問題が顕在化していきます。
EMCアドバイザEXでは、複数基板にまたがった信号配線や電源・GNDネットをシステムで管理可能です。シングル基板の最適化と、複数基板によるシステム全体の最適化を同時進行しながらEMC設計することが可能になり、EMC対策に効果的なGND接続方法の最適化や、ノイズ干渉の検証を総合的に行うことができます。
■ 最後に
今回紹介した機能は、Design Force Professional 2012のオプションソフトとなっております。マルチボードのEMC検証機能は、現在開発中のものですが、今後のバージョンアップでどんどん進化していきます。また、お客様による導入事例・成功事例も多数ありますので、EMCにお困りのお客様がいらっしゃいましたら、是非とも担当営業まで、お問い合わせください。