CADデータをオープンしたり、デスクの周りをウロウロしたり、引き出しを開けてみたりしたが、どこにも見当たらない。どこに行ったかと、頭を抱えている狭間は、周りから見ると明らかに挙動不審になっている。
(麗子) 「どうかしたの?」
(狭間) 「いやその・・・別に何でもありません。」
(麗子) 「そう。」
そこへ大泉課長が戻ってきた。
(大泉) 「狭間くん、今度、回路設計部の人たちが君のために飲み会をしてくれるそうだから、我々もお邪魔するよ、ん?」
(麗子) 「(回路設計部で飲み会!?!?なんで??ま、まさか、狭間君・・・戻ってしまうの!?!?)」
(狭間) 「はい・・・。ありがとうございます。。。」
(大泉) 「なんか元気ないけど、疲れた?ん?」
(麗子) 「(もしかして・・・私との別れがツライの?今まであなたの気持ちに気付かなくてごめんなさい!!バカバカ、麗子の馬鹿!)」
(狭間) 「大丈夫です。ちょっと探し物をしているだけですから、気にしないでください。(部品ちゃん、どこー?)」
(麗子) 「(探しものって、、、たぶんまだやりかけの仕事があるんだわ!)」
(大泉) 「早速荷物の整理ですか。用意が早いのは、良いことです。ん?」
(麗子) 「(課長も鈍感ね!私との別れを伸ばすため、新しい仕事を探してるんじゃない!!)」
(狭間) 「まーそんなところです。アハハ。」
(麗子) 「(誤魔化してる・・・なんて健気な・・・狭間君!私もお手伝いするわ!!) あのー。」
(大泉) 「ん?麗子ちゃん、どうした、ん?」
(麗子) 「私も手伝うわ!私も同じ気持ちだから・・・やだ、私ったら何言ってるのかしら!! や、やっぱり3D電子部品の関連よね?」
(狭間) 「え?知ってたんですか?(部品ちゃんの存在、麗子さんにはバレていたのか~)」
(麗子) 「わ、私はそんなに鈍感じゃなくってよ。ちょ、ちょっとネットで見てみる。きっとすぐ見つかるわよ!」
(狭間) 「(え?ネット?)」
(麗子) 「えっとー、”3D電子部品”と。検索!(カチッ)」
(狭間) 「そ、それで見つかるんですか?」
(麗子) 「なんか出てきた。んーと。イーパート・・ファインダー?3D電子部品の無料ダウンロードサイトですって。これは違うわね。」
(狭間) 「あ、ちょっと待ってください。無料ダウンロード?ちょっと見てみましょうよ。」

(狭間) 「ここで検索して、部品があれば、今までスクラッチで作成していたコネクタなんかの3Dモデルも簡単に入手できますね。(ひょっとして、このコンテンツの中に部品ちゃんがいたりして・・・そんなわけないか)」
(麗子) 「確かにそうだけど・・・それじゃ狭間君のここでの仕事がなくなっちゃうじゃない・・・(狭間くん、自分の気持ちよりも会社のことを優先するなんて・・・やっぱり素敵だわ。。。)」
(狭間) 「試しにアルミ電解コンデンサで検索してみますね。」

(狭間) 「(・・・いた。)」
次回、最終話。部品ちゃんがいなくても大丈夫?乞うご期待! |