コラム
グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス
【第26回】システム設計は仮説と検証の繰り返し
株式会社RDPi 代表取締役 石橋 良造
2009.10.29
さて、前回と今回とで説明しているのは図67のシステムエンジニアリングの部分なのですが、実は、この後の工程であるハードウェアエンジニアリングやソフトウェアエンジニアリングの部分も考え方は同じです。システムエンジニアリングはシステム全体をサブシステムにブレークダウンするというシステム設計作業ですが、サブシステムをブロックに、ブロックをハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールにというように徐々に小さな単位にブレークダウンするのも同じ考え方で進めます。どのような単位に分解されるのかというだけの違いです。また、分解されるものの呼び方の違いだけです。そういう意味では、システム設計工程を説明している図67
の表現は参考程度に考えた方が良いかもしれません。システム設計とは、システム全体を電気、機構、ソフトなどの今ある設計チームに分かれて設計を行うことできるまで、エンジニアリング作業を繰り返してブレークダウンする作業とするのが現実的でしょう。
したがって、今説明しているシステムエンジニアリングの進め方を理解できれば、どの段階のエンジニアリングも同じように進めることができるということです。ただ、システムエンジニアリング作業で、ブレークダウンした要件の作成方法についてはまだ解説していません。これは次回にしましょう。
さて、今回は、システム要件の作成の次の作業であるサブシステム構成の検証方法について解説しました。いかがだったでしょうか? 特定の人が頭の中でやってしまい、その妥当性について議論ができない典型的な作業ですが、今回のような考え方で、いわゆる「見える化」が可能なことがわかっていただければ幸いです。
では、次回もお楽しみに。