コラム
グローバル化は設計・製造の仕組みを見直すチャンス
【第10回】政治的要因の検討で決まるスケジュールの確度・精度
株式会社RDPi 代表取締役 石橋 良造
2008.05.29
では、リスクを計画(スケジュール)に反映させるとはどういうことでしょうか。図27 を見てください。
リスクが顕在化すると計画していた通りには進まないため、システム化なり仕組み化なり、プロジェクトの流れが変わってしまいます。リスクが顕在化するポイントはプロジェクトの流れ(進み方)の分岐点ということです。一連のリスクによりいくつもの分岐が存在し、プロジェクトの進み方には何通りもの可能性があります。図27 では、このプロジェクトにはリスクのために7通りの進み方(「状態」で示しています)が存在することがわかります。
図27 は単純化しており実際はもっと複雑ですが、重要なのは、リスクはプロジェクトの進み方を変えるものであり、プロジェクトの進み方としてどのような可能性があるのか、そして、その可能性を考慮して計画(スケジュール)を立てるということです。図27 ではリスクにより7通のプロジェクトの進み方があることを示していますが、この一つひとつを「シナリオ」と呼びましょう。プロジェクトのシナリオを明らかにしてスケジュールとして具体化することが、リスクをスケジュールに反映させるということです。
今回はリスク管理についての話になりました。次回はもう少し具体的な例を使って、シナリオとスケジュールについてさらに詳しく解説したいと思っています。
では、また次回お会いしましょう。